そろそろ5月ですね。
世の中の情勢が影響して、テレビドラマの再放送が続いているようです。
ご覧になっていますか?私はテレビを手放したのでチェックできませんが(笑)
先日久しぶりに「トリック劇場版」を観ました!
やっぱり面白い、という話と見所や思ったことを綴りたいと思います。
20年前に深夜ドラマからスタートした人気シリーズ
「トリック」がスタートしたのが2000年7月。
実に20年前ということですね!
売れないマジシャン・山田奈緒子(仲間由紀恵さん)と、日本科技大助教授(5年後には名誉教授)の上田次郎(阿部寛さん)のコンビが、不可思議な術を使う超能力者と戦う「ミステリー&コメディ」です。
コメディ要素が強いイメージがあるものの、1作目は深夜帯ということもあってか少々グロい描写や怖いシーンがありましたよ。
(遠隔殺人の話とか、すげぇ不気味です)
2002年にドラマシリーズの2作目、2003年に3作目が放送。
その後も「新作スペシャル」という形で、2時間ドラマが何回か放送されました。
2014年「トリック劇場版 ラストステージ」でシリーズの幕は降りた形になっています。
長い間、ファンに愛され続けた作品だと言えるでしょう!
監督は「ケイゾク」「SPEC」「金田一少年の事件簿」などを手掛けた堤幸彦さん。
今年、20年を記念して1作目「母の泉」が放送されました。
決めセリフは「お前たちのやったことは、全部お見通しだ!」
「世の中の超常現象は、すべて奇術である」がドラマのコンセプトの1つ。
山田奈緒子の父・プロマジシャン山田剛三の口癖だっだのです。
奈緒子にしてみたら、インチキ霊能力者が人を騙すことが許せないというわけですね。
決めセリフが「お前たちのやったことは、全部お見通しだ」です。
週ごと、エピソードにちなんでアレンジが加えられていきました。
そういえば、堤監督の作品には決めセリフが多いなぁと。
どこまでも手間のかかることを!様々な仕掛けも楽しみの一つ
推理ものではないので犯人は明かされているのですが、科学で説明できないことには逮捕もできない。
一見すると超常現象にしか見えない事件の仕掛け(トリック)を次々と解き明かしていきます。
中には「どこまでも手間のかかることを…」と言いたくなる大がかりなものまで。
双子だったとか、パネルの裏でおじいちゃん・おばあちゃんに食べさせるとか、「さすがにそれは…」とつっこまずにはいられない仕掛けも存在したなぁ。
トリックの世界観がたまらなく好きだった
誰しも好きだったドラマはあると思います。
私にとってのそれが「トリック」で、何回観たか分からないですね。
これは「トリックファンあるある」かもしれませんが、仲間由紀恵さんが他のドラマに出ていても山田奈緒子に見えるし、阿部寛さんが他の作品に出ていても上田次郎に見えてしまうのです(笑)

本も買いましたよ(笑)
大掃除した時も、こういった書籍は残しておきました!
阿部寛さんといえば「新参者」の加賀恭一郎や、「下町ロケット」の佃航平の役が記憶に残っていますが、やっぱり上田次郎かなと。
…あ、あと桑野さん。
それだけ、このシリーズの設定がピッタリハマっていたということだと思います。
豪華キャストが名を連ねた「ザ・トリック」な劇場版1作目
今回私がアマゾンプライムで観たのは「トリック劇場版」1作目です。

公開されたのが2002年11月。
時系列的には、「ドラマ1~ドラマ2~劇場版」という流れ。
2002年1月から3月まで「トリック2」が放送されました。
少し期間を置いた後、劇場版が公開されるに至ったということです。
山田奈緒子(仲間由紀恵さん)上田次郎(阿部寛さん)をはじめ、矢部謙三刑事(生瀬勝久さん)や山田里見(故・野際陽子さん)など主要メンバーはもちろん、
- 山下真司さん
- 芳本美代子さん
- 竹中直人さん
- 伊武雅刀さん
- 成海璃子さん
など豪華実力派が脇を固めます。
雰囲気や細かいボケ、「ザ・トリック」な映画だと言えるでしょう!
もちろん何回も観たことがあるのですが、久々にじっくり観ようと思ったのでした。
簡単にあらすじ(ストーリー)を解説します
いつものように、遊園地のマジックショーをクビになった山田奈緒子のもとに、「糸節村」(イトフシムラ)という所から来た神崎と南川が訪れる。
糸節村には、呪われた言い伝えがある。
「300年に一度、巨大な亀が動いて村に災いをもたらす。村人の行いが正しければ、神様が表れて村を救ってくれる」
そこで、「手品のテクニックを使って、神様を演じてほしい」と山田にお願いしてきた。
神崎
「あなたしかいないと確信したんです。あなたの腕、そして美貌…」
奈緒子
「なるほど!」
神崎
「…はさておき。あなたのステージには、いつも全くと言っていいほど人がいない。
だからばれる心配がないのです」
当初は「そんなペテン師みたいなマネは…」と言い張っていた山田も、大金を積まれて結局、神を演じることに…。
同じころ、「どんと来い超常現象パート3」(上田が出版している自伝)の取材ということで上田次郎も糸節村を訪れる。

村に潜入し、夜の集会で「私は神だ」と言って手品を披露するも、村長さんいわく「神を名乗って現れたのはあんたで4人目だ」と。
神を名乗る超能力者との闘い。
上田の同級生が見つけたという「財宝」を探す戦い。
そして「神様」は本当に存在するのか?
「暗号」が物語のカギ・実際にやってみた
「何かあった時のために、暗号で会話する方法を決めておこう」
物語の前半、上田の提案で他者にばれない方法でやりとりすることになります。
- 伝えたいメッセージを横に4文字ずつ書く
- 出来上がった文字列を、縦に読んで相手に伝える
- 受け取った相手は、縦に並べた後に横に読むとメッセージが分かる
というもの。
実際にやってみましょう!(笑)
今、私が伝えたい内容を横4文字で並べました。
それを縦に読むと、
「いらた えーべ けめた いんい」
です。なんのこっちゃ分かりません。
並べてみます。

横に読むと、
「いえけい らーめん たべたい」⇒「家系ラーメン食べたい」
周りの人間に全くばれることなく伝わりますね!
同様に、伝えたい技のコンビネーション(?)を横に4文字並べて縦に読むと、
「さじうみ んめで かかが くらら」
書き出してみましょう。

「さんかくじめからうでがらみ」⇒「三角絞めから腕絡み」
関節技の組み合わせが浮かび上がりましたね!

※こちらが現在、格闘技・柔術道場で話題の「グラップリングダミー」です。
…よくよく見たら、このダミーもトリックっぽいというね(笑)
エンディングで鬼束ちひろの曲に合わせて現れても違和感ないでしょう。
個人的・トリック劇場版1の見所
ではここから、(個人的な)トリック劇場版1の見所を書いてみようと思います。
1.これぞトリック!言い間違え
ドラマ版含めて、見事な「言い間違え」がトリックの魅力の一つだといえます。
劇場版1作目でも、思わず笑ってしまう絶妙な言い間違えが多数。
「金田一少年の事件簿」のような何か事件が起こりそうな緊張感ある雰囲気でポンと出るから面白く感じるんだなと。
コントラストがたまらないんですよ。
中でも「毒」のくだりは最高!

特に今作は冴えているように感じます。
ドラマ版では「言い間違いと訂正」のくだりを2週から3週引っ張ることもありました(笑)
「上田次郎ヘアー??」「フェアだ!」みたいに。
こんなこと言っていたら、ドラマ版観たくなってきたなぁ….。
2.見事なトリックの数々
作品の名前になっているくらいですから、毎回様々なトリックが登場するのですが、劇場版でも「おぉ、そういうことか」という見事な仕掛けが見られます。
「笑い鬼」「泣き鬼」のくだりは、何回観ても「?」マークが浮かびますが。
クセの強い、神を名乗る超能力者との対決も見物。
3.糸節村に入る時の「歌」
めちゃくちゃ個人的に好きなシーンなんですが。
神崎と南川と山田が糸節村に入る時に、神崎と南川が楽しそうに歌っているんです。「行くよ、行くよ、行くよー♪」ってめっちゃハモってて。
神崎が「アレンジしてみました」っていうんです。
長年、何のことか分からなくて。
調べたら「高原列車は行く」っていう、有名な曲なんですね。
ゆっくりとしたリズムで、全くもってハモってないし。
(アレンジしてみました…ってそういうことか)
意味が分かってからというもの、このシーンが好きなんですよね。
4.山田奈緒子の母・里見が登場する絶妙のタイミング
村が絶体絶命…万策尽き果てた時に登場するのが、山田奈緒子の母・里見。
長野の実家で書道教室を営んでいます。
ドラマシリーズでは物語にがっつり絡むことは少なかったと記憶していますが、本作では絶妙のタイミングで現れ「文字の力」を説きます!
これが笑いの起こる場面ではあるのですが、よくよく考えたら深いんですよね。
文字はそれぞれ意味を込めて作られたわけで、何気なく目にする文字の中にヒントが隠されているのかもしれません。
今のように大変な時こそ、意識したいポイントかなと。
里見の登場シーンは、劇場版1作目の重要ポイントです。
5.物語の冒頭・上田と学生時代の仲間たちの飲み会
物語の冒頭になるんですけど、上田次郎と学生時代の仲間たちとの飲み会シーンがあります。
ここもねぇ、劇場版1作目の見所シーンだといえるでしょう!
仲間全員で名刺を見せ合って、一番大物の名刺を出した人に刺し身をあげる。
ビルゲイツの側近の名刺が含まれていたり(笑)なかなかのエリートのようです。
上田が出す名刺が、全てドラマシリーズに関連するのはもうお約束(笑)
その中の一人が、「徳川が残した埋蔵金を探し当てた」と言い出して、トイレで大変なことになって…。
「すぐに警察を呼べ」
「…警察はお前だろ?」
「俺は警察じゃなくて、警察官僚だ!」
そして国を巻き込み、埋蔵金探しの大プロジェクトに発展するという。
何回でも見たくなってしまうシーンです!
神がテーマだけに神回!劇場版は1作目が最高かな
トリックの劇場版は、計4作。
どれも面白いですが、やはり1作目が最高だと私は思います。いわゆる神回ですよ(神だけに)
2位は「ラストステージ」かな。
他の作品は「時事ネタ」とか入っちゃってるから、後になって観たときに古さを感じてしまう(あくまで私の意見ですよ)
そういう意味では、劇場版1作目は今観ても全く古くない!
一般ウケではなく「トリックファン」向け、「暗さ」を残した深夜帯の雰囲気がそのまま映画になっている感じ。
令和でも楽しめる!ドラマがあるとすれば…
令和でも充分楽しめるどころか、今だから観たい部分も多い「トリック」シリーズ。
「ラストステージ」の終わり方も良かったし、もう新作が作られることは無いでしょう。
ただ、仮に新作が作られるとしたら「キャストは誰かな?」「どんな超常現象が登場する?」とか考えるのは楽しいものです。
「2021年に放送するなら?」
自らが番組制作側に立ったと想像すると、つい力が入りますね(笑)
居酒屋でモルツ片手にいくらでも話せますわ。
狙ってる?「連続ドラマW 楽園」で山田奈緒子のアパートが登場
「阿部さん、仲間さんがどの役をやってもトリックに見えてしまう」とお話しましたが、意図してシーンに入れているのかな?というケースもあります。
2017年にWOWOWで「連続ドラマW 楽園」が放送されました。
原作は宮部みゆきさん。代表作「模倣犯」の続編です。
このドラマの主人公・前畑を演じたのが仲間由紀恵さんでした。
物語の佳境で、築年数が経ったアパートでの親子の会話シーンがあります。
仲間さんはアパートの外で車に乗って待っているのですが、間違いなく奈緒子のアパートなんですよね(笑)
確か荒川区だったかな。
大家さんとジャーミー君が座っていたスペースも、いつも荷物が落ちてくる階段も映っていました。
前畑(仲間さん)が車を停めている場所は、次郎号(上田次郎の愛車・よくドアが外れる)が停まっていたのと同位置。
たまたまかもしれませんが、ここに気づいたらやっぱり嬉しくなります。
こういうの目の当たりにすると、ドラマ化への期待がまた再燃するんだよね。
それはさておいても、「連続ドラマW 楽園」は見応え十分!
やや怖い場面もあり、でも目が離せない骨太なミステリー作品。
ちなみに「楽園」の中で「他人の過去が見えるという超能力を使える少年」が出てきます。
「超能力」と「仲間由紀恵さん」とくると…やっぱりトリックっぽいなと(笑)
ぜひご覧になってみてください。
WOWOWドラマについては、こちらの記事も参考になるかもしれません。
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トリックで笑って、楽しくステイホーム
今回は「トリック劇場版1」について綴ってきました。
やっぱり笑って過ごしたいもの。
トリック観て、笑って、充実ステイホームにしましょう!