コロナの影響はまだ続いていますね。早い収束を願うばかりです。
緊急事態宣言も出て、外出しない日々が続いています。いかがお過ごしですか?
ただ、もともと出不精(デブ症)の疑いがあった私としては、悪い事ばかりではないですね(笑)
家でぼぉーっとしているのも好きですし、寝正月もありですし(?)
練習も休み…この時期はやっぱり「90年代前半の格闘技の試合」を観てしまいます。
パンクラス、リングス、Uインター、懐古主義は好きではないですが、やっぱりこの時代の戦いは面白い。
(コロナ関係なし)
他の人も言いますけど、プロレスから格闘技に移り変わる時代って熱があるんです。
アントニオ猪木の「異種格闘技戦」から、90年代に入り「K-1」が生まれ「プロ格闘技興業」が確立された時代というのかな。
プロレス界でも「強さ」を目指し、「U系」といわれるスタイルが誕生しました。
先述した「UWF」「リングス」「パンクラス」などです。
さて、これらの試合で当たり前のように見られた光景…。
それが「ロープに逃げる」でした。
ロープエスケープとは何か?
ロープでしっかり縛り、逃げられないことをお客さんに見せた後、カーテンで一瞬隠す。
再びカーテンが開いたときには、ロープから綺麗に脱出している。
これが「手品」における「ロープエスケープ」です(笑)
格闘技のロープエスケープとは何か。
サブミッション(関節技・絞め技)をかけられた際に、ロープに手足を引っ掛けることで「逃れた」とするルールです。
ちょっとうろ覚えですが、手足の第一関節以上を引っ掛けないといけないんじゃなかったかと。
関節技から逃れたわけなので、技を解いて中央・スタンドから再開します。
もちろん無限にロープエスケープして良いわけではなくて、ポイントが減っていく形式になっています。
無論、ポイントが無くなった時点で相手の勝ちということですね。
したがってサブミッションをかける場合、真ん中で仕掛けないと逃げられるということ。
技をかける方もかけられる方も、試合中の位置を把握する必要があります。
「一本目はどちらが取った」などドラマが生まれた
ロープエスケープがあることで、勝敗とは違ったドラマが生まれました。
「最終的にはAの選手がギブアップ取ったけど、最初にエスケープを奪ったのはBだった」みたいな。
有名な「桜庭vs田村」のUインター3連戦では、いずれも最初にエスケープを取ったのは桜庭選手でした。
技が決まる本数が多いので、観ていて楽しいですよ。
道場のスパーリングがスイングして、観てて飽きないことがあるのですが、それに近いかなと。
いわずもがな、白熱した試合だとロープに逃げた瞬間に大歓声が沸き起こったものでした。
日本格闘技の当たり前の光景だったのです。
総合格闘技の登場によってロープエスケープが無くなった
「ロープに逃げる」が無くなったきっかけが、93年のグレイシー柔術台頭からの「総合格闘技」登場でした。
総合格闘技で使われた試合場は「金網(ケージ)」で、当然ロープエスケープが使えません。
ルールとか云々もあるのですが「実戦なのにロープ掴んだら逃げられるっておかしくね?」という、総合格闘技登場以降の選手・ファンの心理がロープエスケープを過去のものにしたといって良いでしょう。
やっぱりロープエスケープはありだと思う(令和2年)
平成が終わり、令和2年。
「やっぱりロープエスケープはありだよ!」が私の意見です。
全ての試合をロープエスケープありにすべし、とかじゃないけど、ルールとして残すべきだと。
さきほどもお話しましたが、試合にドラマ性が生まれるはず。
技が完全に極まってしまったけど、最後の手段としてロープに逃げる。
観客としては面白いはずなんだよな。
「サブミッション好き」ならなおさら。
選手としても、ロープエスケープがあればもっと積極的にアタックできるし、試合が動きますよね。
実力差が存在しても、ロープエスケープを計算して戦うことで勝てる確率が上がるかもしれません。
「ロープエスケープは実戦ではありえない」は嘘!
なんかこう、「格闘技=真剣・真面目」みたいになって、堅苦しいんだよね(苦笑)
真剣に勝敗を競うのはもちろんなんだが、すぐに「実戦になったら」とか持ちだすのは、もういいんじゃない?
(格闘技だけいつも実戦論がついて回るのが、不思議で仕方ない)
だいたい、「ロープエスケープは実戦ではありえない」は嘘ですからね!
昔なにかの本で読んで「なるほど」と思ったのですが、「ロープを掴む=武器を掴んだ」になると!
あるいは「安全な場所に移動できた」「仲間を呼んだ」とも解釈できます。
要するに、素手のみの1対1の真剣勝負なら確かにロープエスケープは存在しませんが、さらに実戦に近づけた場合にロープエスケープはありえるのです。
そもそも実戦ってなに?
総合格闘技が登場して以来、「リアル(実戦)」を追求しなきゃいけないと無意識に思いがちですが、そもそも実戦って何でしょうか?
本当の実戦になったら素手を使う?
絶対に武器を使いますし、何なら逃げるのが一番強いはず。
「総合格闘技=リアルファイト」は無い!(真剣勝負という意味ではリアルファイトですが)
実際の戦い=総合格闘技、にはつながらない。
極論すると、格闘技に「実戦ならどうか」という視点は要らないと思いますね。あくまで私の意見ですが。
「観て面白い・実際にやって面白い」「コミュニケーションとしてのツール」という方がよっぽど意味があります。
空手の「型」とか、表現方法として最高のツールだと思いますし。
ロープエスケープの話から、だいぶ逸れてしまいましたが(笑)
MMAかどうかとか、一般の人にはクソどうでもいい話
もう少し言うと「ユニファイドルールかどうか」「パウンド(寝技の打撃)ありかどうか」など格闘技選手やファンがこだわるポイントも、一般の人(普段は格闘技を観ない人)にとっては、クソどうでもいい話だからね(笑)
「いつもお世話になっている人が出場する」から試合を観に行きます
詳しい技は知らないけど、応援します
ルールはよくわからないけど、頑張っている姿に感動する
これが事実です。
一般の人と、ファンや選手の意識に隔たりがある。これはまたどこかで書くかも。
「総合格闘技至上主義」な考えが壊してしまったものって、多いと思いますよ。
特にこれから先は、「強ければいい・勝てばいい」という考えではいけない気がします。
堅苦しく考えず、面白くなるならロープエスケープしようぜ
え~と、何の話をしていたっけ?(笑)
そうそう、今回はロープエスケープの話から、総合格闘技のあり方まで私が思うことを綴りました。
「あの時代は良かった」とか懐古主義ではなく、総合格闘技が当たり前になった今だから、逆にロープエスケープってありじゃんと思ったのでした。
リングって「音」がいいんだよね。
それはまた、どこかで(笑)