【おすすめミステリー】小説「夜行」のあらすじと見所をネタバレ無しで紹介!

森見登美彦さん 夜行 小説

今回は、おすすめの小説をご紹介しようかなと思います。

本を読むのは好き!時間が許すなら、大型書店に1日中入り浸っていたいくらいです(笑)
(そのまま出たくない)

普段読むのは実用書やプロレス本(笑)で、小説を読むことは少ないのですが、久々に手に取ったこの本に思い切りハマってしまいました!

森見登美彦さんが書かれた「夜行」です。

2016年10月に小学館から単行本が発行され、2019年10月に加筆改稿され文庫本が発行されました。
私は文庫本の方を購入したというわけです。

10年前に忽然と姿を消した女性・ある画家が残した連作にまつわるミステリー

物語の舞台は「京都」です。

10年前、「鞍馬の火祭り」の夜に忽然と行方不明になった長谷川さんという女性。
月日が流れ、10年ぶりに鞍馬の火祭りに集まった5人は、誰一人として彼女の存在を忘れていませんでした。

久々に再会し、あれからのことをそれぞれ語り合う中で、それぞれが奇妙な体験をしていることが分かったのでした。

共通点として浮かび上がる、ある画家が残した「連作絵画」とは?

夜行 画像2

怪談×青春×ファンタジー

あらすじにはこの後触れますが、ネタバレは避けますね。

ミステリー小説ではあると思うのですが、本の紹介にもあるように、「怪談」の要素もあれば、「青春」や「ファンタジー」の要素も入っています。
面白さを感じるポイントは十人十色だといえますよ。

「世界はつねに夜なのよ」

後ほどお話ししますが、ぱっと情景が浮かぶリアルな描写もあれば、夜空を見上げて読みたくなるような壮大な世界観も登場します。

「夜行」という題名ですから、どちらかというと夜寝る前に読むのが合っているのかな。
このあたりは、実際手に取って読んでみてくださいな。

「鞍馬の火祭り」は京都三大奇祭の一つ

ちなみに「鞍馬の火祭り」とは京都三大奇祭の一つです。
「火祭り」の名の通り、松明の炎で街が一杯になる迫力満点のお祭り。
近年は秋に発生した台風の影響で中止になることもありましたが、2019年には完全な形で行われました。

「夜行」各章のあらすじを簡単にご紹介

夜行は、

  • 第一夜「尾道」
  • 第二夜「奥飛騨」
  • 第三夜「津軽」
  • 第四夜「天竜峡」
  • 最終夜

で全5章で構成されています。

夜行 もくじ 画像


章の名前にある土地で、長谷川さんの同級生だったメンバーに不可解な出来事が起こります。

あらすじ的なものを簡単にご紹介しますね。

第一夜「尾道(広島県)」

突然様子がおかしくなった妻を追いかけて、広島県の尾道に来た中井。
その地で目にする古びた雑貨屋店。そしてある女性とホテルマン。

なぜ妻は、広島の尾道に来たのか。
そしてホテルに飾ってあった一枚の絵画。

「誰もいるはずがないんですから」
「奥さんは自殺したっていうのか」

第二夜「奥飛騨(岐阜県)

職場の先輩に、岐阜県・奥飛騨への旅行に誘われた武田。
同行したのは、先輩の恋人とその妹。
4人が乗った車が国道158号線を走行している時に、怪しい老婆に出会う。
老婆が発した不思議な言葉と、喫茶店に飾ってあった不気味な絵。

旅というのは密室のようなもの。
4人はどうなってしまうのか。

第三夜「津軽(青森県)」

鉄道好きの夫、同僚の児島と夜行列車に乗って「津軽」に行くことになった藤村。

そこで目にしたある「一軒家」と「手招きをする女性」とは?
何かを目指して歩き始める児島。
甦ってくる、ある記憶。

勤め先の画廊で目にした、ある絵との共通点。

「あの家に火をつけたのは私だった」

第四夜「天竜峡(長野県)」

仕事のついでに長野県・伊那市に寄り、家に帰るために飯田線に乗った田辺。

車内で遭遇した不思議な女子高生と、読心術が使えるという謎の僧侶。
会話の中で浮かびあがる「京都」での記憶と、親しくしていた一人の画家。

「こんな絵にとらわれてはいけなかったんだよ」

小説「夜行」の見所をご紹介します!

各章ごとの簡単なあらすじをご紹介しました。
自分で言うのもアレですが、全く本質に触れられてませんからね(笑)
実際に読まないと分かりません。

ここから私的な視点ですが、小説「夜行」の見所を3つご紹介したいと思います。
2つは特におすすめの読みどころ、1つはより個人的な理由で綴りますね。

1.「津軽」での不気味なエピソード

先述したように、日本各地で「連作絵画」にまつわる不可解な出来事が巻き起こるのですが、特に「第三夜 津軽」は不気味!

物語全体の中でかなり大事な部分なのですが、同僚・児島の意味不明な行動は思わずぞくっとします。

この章の主人公の「過去」もめちゃくちゃ謎…そして怖い。
もし実写化したら、ホラー度が高くなるのは津軽だと思いますよ。

「窓」の描写は、昔から怖く感じますわ。

実写化するなら、「児島さん」しかいない!

人気小説が実写化されることは多々あります。

読みながら、「実写化したら、キャストは誰かな?」と何気なく考えたんですよね。
仮に実写化するなら、「第三夜 津軽」に出てくる同僚の児島は、そのまま「アンジャッシュ・児島さん」に演じてほしい!

読んでいただくと分かりますが、ぴったりハマるんだよなぁ。
逆に「アンジャッシュ児島さん」を想定して名前つけたのか?くらいに。

児島さんは映画にも出演されているので、問題ないはず。
津軽を舞台に、すれ違いコントしたりして(笑)

2.物語の核心に迫る「第四夜 天竜峡」

長野県南信・飯田線内でのやりとりは、物語の核心「ある画家」の謎に迫る大事なポイント。

物語のメイン舞台である「京都」での出来事が綴られており、最終夜につながる重要エピソードだといえるでしょう。

この章の登場人物も、かなり不気味ではあります。
ただ少し難しい部分もあるかなという感じなので、何度か読み返してみてください。

3.知っている土地がたくさん登場する!

個人的な見所になりますが、知ってる土地が出てきてびっくりしました!
それだけにリアルな情景が浮かぶってなもんです。

第二夜「奥飛騨」に出てくる国道158号線は、松本市から岐阜県・高山市を経由して福井県につながる道ですが、このあたりは車で何度も通ったので「あぁ、あのあたりかな」と親近感を覚えました。

去年の夏に、松本駅から波田まで歩いた道が国道158号線ですね。

松本駅から波田まで歩く!真夜中の徒歩「転々」

も併せてどうぞ!

また「平湯の温泉」が出てきますが、実際めちゃくちゃ良い温泉ですよ!

第四夜「天竜峡」は、昔住んでいた場所です!もろですね。
生まれが長野県・飯田市なもので、当時の記憶があまり無いですが。

伊那の駅前とか、めちゃくちゃ知ってます。
伊那市と言えば「ローメン」という食べものがおすすめ!
ただ肝心の「飯田線」は、一度くらいしか乗ったことなかった気がします…。

良く知る地域が2つも出てくるというのも不思議な感じ。
これは、引き寄せられたとでもいうのか…。

知ったきっかけは電車内広告・引き寄せられるように手に取った

「夜行」を知ったきっかけは、確か電車内広告でしたね。
広告を見て本が欲しくなることって無かったのですが、この本だけは妙に気になった。

今年の初めくらいに、本屋に行った際に思い出しました。

ちなみに同じ時に買ったのが、「ぼくたちにもうモノは必要ない。」でした。

書店の機械で探そうにも、名前が思い出せなくて苦労しました(焦)
名前が「夜行」だと分かったので、一階降りて探しました。

藤原喜明さんが関節技をマスターするために書いた「藤原ノート」をちらっと見つつ(おい!)「夜行」を真剣に探し、やっと見つけました。

今思えば、この物語の登場人物のように、引き寄せられたような気がしないでもないんですよね。

不思議な話ってあるもんですよね~。普段はなかなか見えない世界って言うのかな~。
今いる世界が、実は現実ではないのかもしれない(稲川さん)

読み始めたら止まらなかった

本を読み始めたら、もう止まらなかったです。
どんどん読み進めたくなって、移動中や寝る前に物語に没頭しました。
良いですね、夢中なモノを持つって!

解釈は人それぞれ!何度も読み返せますよ

この物語には決まった答えが無いような気がします。
全く意味が分からないということはないですが、「じゃあ、あれは何だったんだろう」と謎が残ることもあるかもしれません。

何度も読み返してみましょう!解釈は人それぞれという「余白」がある物語なんだと思います。

おすすめ!ぜひ手に取ってね!

今回は、森見登美彦さんが書かれた「夜行」のあらすじと見所をご紹介しました!

仕事の合間、寝る前のちょっとした時間に読んでみてくださいね。