今回は、おすすめの小説をご紹介しようかなと思います。
本を読むのは好き!時間が許すなら、大型書店に1日中入り浸っていたいくらいです(笑)
(そのまま出たくない)
普段読むのは実用書やプロレス本(笑)で、小説を読むことは少ないのですが、久々に手に取ったこの本に思い切りハマってしまいました!
森見登美彦さんが書かれた「夜行」です。
2016年10月に小学館から単行本が発行され、2019年10月に加筆改稿され文庫本が発行されました。
私は文庫本の方を購入したというわけです。
10年前に忽然と姿を消した女性・ある画家が残した連作にまつわるミステリー
物語の舞台は「京都」です。
10年前、「鞍馬の火祭り」の夜に忽然と行方不明になった長谷川さんという女性。
月日が流れ、10年ぶりに鞍馬の火祭りに集まった5人は、誰一人として彼女の存在を忘れていませんでした。
久々に再会し、あれからのことをそれぞれ語り合う中で、それぞれが奇妙な体験をしていることが分かったのでした。
共通点として浮かび上がる、ある画家が残した「連作絵画」とは?
![夜行 画像2](https://fujisawayuusakublog.site/wp-content/uploads/2020/03/IMG_4585.jpg)
怪談×青春×ファンタジー
あらすじにはこの後触れますが、ネタバレは避けますね。
ミステリー小説ではあると思うのですが、本の紹介にもあるように、「怪談」の要素もあれば、「青春」や「ファンタジー」の要素も入っています。
面白さを感じるポイントは十人十色だといえますよ。
「世界はつねに夜なのよ」
後ほどお話ししますが、ぱっと情景が浮かぶリアルな描写もあれば、夜空を見上げて読みたくなるような壮大な世界観も登場します。
「夜行」という題名ですから、どちらかというと夜寝る前に読むのが合っているのかな。
このあたりは、実際手に取って読んでみてくださいな。
「鞍馬の火祭り」は京都三大奇祭の一つ
ちなみに「鞍馬の火祭り」とは京都三大奇祭の一つです。
「火祭り」の名の通り、松明の炎で街が一杯になる迫力満点のお祭り。
近年は秋に発生した台風の影響で中止になることもありましたが、2019年には完全な形で行われました。
「夜行」各章のあらすじを簡単にご紹介
夜行は、
- 第一夜「尾道」
- 第二夜「奥飛騨」
- 第三夜「津軽」
- 第四夜「天竜峡」
- 最終夜
で全5章で構成されています。
![夜行 もくじ 画像](https://fujisawayuusakublog.site/wp-content/uploads/2020/03/IMG_4586-rotated.jpg)
章の名前にある土地で、長谷川さんの同級生だったメンバーに不可解な出来事が起こります。
あらすじ的なものを簡単にご紹介しますね。
第一夜「尾道(広島県)」
突然様子がおかしくなった妻を追いかけて、広島県の尾道に来た中井。
その地で目にする古びた雑貨屋店。そしてある女性とホテルマン。
なぜ妻は、広島の尾道に来たのか。
そしてホテルに飾ってあった一枚の絵画。
「誰もいるはずがないんですから」
「奥さんは自殺したっていうのか」
第二夜「奥飛騨(岐阜県)
職場の先輩に、岐阜県・奥飛騨への旅行に誘われた武田。
同行したのは、先輩の恋人とその妹。
4人が乗った車が国道158号線を走行している時に、怪しい老婆に出会う。
老婆が発した不思議な言葉と、喫茶店に飾ってあった不気味な絵。
旅というのは密室のようなもの。
4人はどうなってしまうのか。
第三夜「津軽(青森県)」
鉄道好きの夫、同僚の児島と夜行列車に乗って「津軽」に行くことになった藤村。
そこで目にしたある「一軒家」と「手招きをする女性」とは?
何かを目指して歩き始める児島。
甦ってくる、ある記憶。
勤め先の画廊で目にした、ある絵との共通点。
「あの家に火をつけたのは私だった」
第四夜「天竜峡(長野県)」
仕事のついでに長野県・伊那市に寄り、家に帰るために飯田線に乗った田辺。
車内で遭遇した不思議な女子高生と、読心術が使えるという謎の僧侶。
会話の中で浮かびあがる「京都」での記憶と、親しくしていた一人の画家。
「こんな絵にとらわれてはいけなかったんだよ」
小説「夜行」の見所をご紹介します!
各章ごとの簡単なあらすじをご紹介しました。
自分で言うのもアレですが、全く本質に触れられてませんからね(笑)
実際に読まないと分かりません。
ここから私的な視点ですが、小説「夜行」の見所を3つご紹介したいと思います。
2つは特におすすめの読みどころ、1つはより個人的な理由で綴りますね。
1.「津軽」での不気味なエピソード
先述したように、日本各地で「連作絵画」にまつわる不可解な出来事が巻き起こるのですが、特に「第三夜 津軽」は不気味!
物語全体の中でかなり大事な部分なのですが、同僚・児島の意味不明な行動は思わずぞくっとします。
この章の主人公の「過去」もめちゃくちゃ謎…そして怖い。
もし実写化したら、ホラー度が高くなるのは津軽だと思いますよ。
「窓」の描写は、昔から怖く感じますわ。
実写化するなら、「児島さん」しかいない!
人気小説が実写化されることは多々あります。
読みながら、「実写化したら、キャストは誰かな?」と何気なく考えたんですよね。
仮に実写化するなら、「第三夜 津軽」に出てくる同僚の児島は、そのまま「アンジャッシュ・児島さん」に演じてほしい!
読んでいただくと分かりますが、ぴったりハマるんだよなぁ。
逆に「アンジャッシュ児島さん」を想定して名前つけたのか?くらいに。
児島さんは映画にも出演されているので、問題ないはず。
津軽を舞台に、すれ違いコントしたりして(笑)
2.物語の核心に迫る「第四夜 天竜峡」
長野県南信・飯田線内でのやりとりは、物語の核心「ある画家」の謎に迫る大事なポイント。
物語のメイン舞台である「京都」での出来事が綴られており、最終夜につながる重要エピソードだといえるでしょう。
この章の登場人物も、かなり不気味ではあります。
ただ少し難しい部分もあるかなという感じなので、何度か読み返してみてください。
3.知っている土地がたくさん登場する!
個人的な見所になりますが、知ってる土地が出てきてびっくりしました!
それだけにリアルな情景が浮かぶってなもんです。
第二夜「奥飛騨」に出てくる国道158号線は、松本市から岐阜県・高山市を経由して福井県につながる道ですが、このあたりは車で何度も通ったので「あぁ、あのあたりかな」と親近感を覚えました。
去年の夏に、松本駅から波田まで歩いた道が国道158号線ですね。
も併せてどうぞ!
また「平湯の温泉」が出てきますが、実際めちゃくちゃ良い温泉ですよ!
第四夜「天竜峡」は、昔住んでいた場所です!もろですね。
生まれが長野県・飯田市なもので、当時の記憶があまり無いですが。
伊那の駅前とか、めちゃくちゃ知ってます。
伊那市と言えば「ローメン」という食べものがおすすめ!
ただ肝心の「飯田線」は、一度くらいしか乗ったことなかった気がします…。
良く知る地域が2つも出てくるというのも不思議な感じ。
これは、引き寄せられたとでもいうのか…。
知ったきっかけは電車内広告・引き寄せられるように手に取った
「夜行」を知ったきっかけは、確か電車内広告でしたね。
広告を見て本が欲しくなることって無かったのですが、この本だけは妙に気になった。
今年の初めくらいに、本屋に行った際に思い出しました。
ちなみに同じ時に買ったのが、「ぼくたちにもうモノは必要ない。」でした。
書店の機械で探そうにも、名前が思い出せなくて苦労しました(焦)
名前が「夜行」だと分かったので、一階降りて探しました。
藤原喜明さんが関節技をマスターするために書いた「藤原ノート」をちらっと見つつ(おい!)「夜行」を真剣に探し、やっと見つけました。
今思えば、この物語の登場人物のように、引き寄せられたような気がしないでもないんですよね。
不思議な話ってあるもんですよね~。普段はなかなか見えない世界って言うのかな~。
今いる世界が、実は現実ではないのかもしれない(稲川さん)
読み始めたら止まらなかった
本を読み始めたら、もう止まらなかったです。
どんどん読み進めたくなって、移動中や寝る前に物語に没頭しました。
良いですね、夢中なモノを持つって!
解釈は人それぞれ!何度も読み返せますよ
この物語には決まった答えが無いような気がします。
全く意味が分からないということはないですが、「じゃあ、あれは何だったんだろう」と謎が残ることもあるかもしれません。
何度も読み返してみましょう!解釈は人それぞれという「余白」がある物語なんだと思います。
おすすめ!ぜひ手に取ってね!
今回は、森見登美彦さんが書かれた「夜行」のあらすじと見所をご紹介しました!
仕事の合間、寝る前のちょっとした時間に読んでみてくださいね。