日常生活で「お、これは!」と閃きがあったとしても、書き残しておかないと忘れてしまうものです。
ここ最近、鍼灸施術において色々と考えたことがあったので、忘備録がてら綴ってみます。
よろしければご覧くださいませ。
治療の真似事をする素人…(とほほ)
たまに、「治療法が分かった!」とか「腰痛の治し方が分かった!」とかいう素人がいます。
別に興味ないんですけど、揉みほぐしっぽいことを嬉しそうにやっている。
そして「楽になったでしょ?」と一生懸命聞き出すという。
いいんじゃない、遊びなら。業としてやったら危なっかしくてしょうがないですが。
当たり前ですが、治療はそんな浅いものじゃない。痛みの出方は十人十色。
施術方法によっては逆に悪化することだってある。
そういった機微を取っ払って「分かった!」とか平気で言っちゃう。
やれやれ、これだから素人は…。
【大事な指標】翌日以降にどうなっているか
リラクゼーションならいざ知らず、「痛みの改善」を目的にする場合、大事なのは施術直後の状態よりも翌日以降の状態だと思う。
一晩寝て身体がリセットされたあとに、では痛みの様子はどうなっているか。
つまり、効果が現れるまでには多少のタイムラグがあるということ。そのタイムラグが一晩のケースもあれば、2日というケースもある。
個人的に良くない「治療」とは、施術直後は楽になっても、すぐ施術前の状態に戻ってしまうことなのかなと。
これでは施術を継続してもなかなか積み重なっていきません。
さっきの話に戻りますが、痛みが改善する経過なんて素人には分からないでしょう。(当たり前ですが)
施術を行ってから時間が経過したうえでの状態を重視したい、と思う今日このごろです。
「施術は短く・効果は長く」
これが最近の私のスローガン的な言葉です(笑)
施術時間をできるだけ短くする。鍼を刺す本数も少なくする。(できれば1本勝負)
そのうえで翌日以降に効果が現れ、日が経つごとに痛みが改善していくのが理想。
狙う場所や施術の組み立て次第で、トータル5分ほどの鍼施術でも十分に効果が出ると分かってきました。
以前は「長ければ長いほど良い」なんて思っていましたが、どうやら大間違いだったようです。
出張訪問形式であれば、なおさら短い施術時間のほうが利用者にとってメリットがありますし。
ここに来て、ますます鍼灸の魅力にハマっている気がします。
整体・もみほぐしと鍼灸の違い
よく「整体・揉みほぐしと鍼灸はなにが違うの?」と聞かれます。
個人的には痛みの取れ方だと思っています。
これは「洗濯」に例えるとわかりやすいかもしれません。
肩こりや腰痛を、シャツに付いた「シミ」だとしましょう。
施術者によって違いはあれど、整体や揉みほぐしというのは、洗濯板でゴシゴシやってシミを落とす方法です。
シミが付いた直後なら綺麗に落ちるでしょう。ですが、ゴシゴシが強すぎるとシャツの縫い目がほつれたり、場合によっては破れてしまったりするケースもあります。
施術を受けた翌日以降に筋肉痛と似た感触が残る、いわゆる「揉み返し」に該当します。
翻って、鍼灸は「染み抜き」に近いです。
外からの圧でシミを落とすのではなく、内側からシミを分解しながら落とすようなイメージ。
染み抜きの途中でシミが浮いて出るわけですが、これが鍼灸後の「好転反応」に似ているかもしれません。(好転反応とは、一時的に痛みが増すこと)
ゴシゴシよりも多少時間がかかりますが、服が破れることはなく安全です。
したがって鍼灸の場合、痛みが取れるというより「薄まる」に近いのかなと。
痛みが薄まって薄まって、気がついたら消えているという感じです。
整体や揉みほぐしと比べて、鍼灸施術での痛みの取れ方って随分違うと思うんですよね。
鍼灸は「嗜むもの」でいい(と思う)
法律的には、鍼灸は「医療類似行為」に分類されます。
ただ、これまた個人的に鍼灸は医療じゃなくても良いと思います。
医療とした途端、エビデンスやら何やらと話がややこしくなるわけで。
「鍼灸は科学的根拠に欠ける」と言う人がいまだに多いです。まぁ外から見えない部分もあるからね。
(まことに残念ながら、鍼灸の科学的な研究はかなり進んでいるようですがw)
なぜ医療がエビデンスに厳しいかというと、身体の健康に直接関わるからです。
それでいうと、少なくとも鍼灸そのものは危険ではない。
やっていることは「自然治癒力を活性化する、以上!」なので。
外部から何かを入れる、とかとは全く異なります。
効く・効かないは個人差あるでしょうが、それは病院の医療と同じはず。
それ以前に、医療ではなく「嗜むもの」でいいじゃない、と私は思います。
身体が喜ぶものっていうか。ちょっとした楽しみというか。
酒が好きな人もいれば嫌いな人もいるように、鍼を受けるのが好きな人もいれば嫌いな人がいる。
それだけだと思います。
今回は鍼灸に関連して思ったことを淡々と綴ってみました。